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MY HOME TOWN
東京の中心から地下を走る電車に乗り、
30分ほど揺られると僕の街はある。
この街に越して来てから、
季節の薫りを感じる様になった。
何もない不便な街だけど、
僕はこの街のことが大好きだ。
雑踏とは程遠い街の景色に、
時折ため息を漏らすことあるけれど、
この街で暮らし、僕の帰りを待つ人が居る。
待っていてくれる人が居るから、
幸せなんだと思う。
僕は愛する人の元へ帰る。
こんなはずじゃない!
そう自分に言い聞かせながら、
折れそうな心を隠し、夜空を見上げた。
誰かに弱音を吐くことが出来る人間は幸せだと思う。
僕は、今にも漏れそうな吐息を飲み込んだ。
ザラツイタニチジョウを蹴飛ばしたい。
今日も最終の新幹線を待っている。
友達はいつもと変わらぬ笑顔で迎えてくれて、 家族は「お帰りなさい」と言ってくれる。 だけど、帰郷する度、どんどん滞在時間が短くなった。
僕と故郷の距離は広がり続けている。 物理的な距離を超えて、ただ広がり続けている。
嬉しいわけでも、悲しいわけでもない。
僕は最終の新幹線を待っている。
Photograph & Writing 有川 晃貴
”写真と言葉で何か違った世界を表現したい”そんな気持ちでこのサイトを始めました。